筋萎縮性側索硬化症における典型的な筋電図検査所見で正しいのはどれか。
筋萎縮性側索硬化症における典型的な筋電図検査所見で正しいのはどれか。
- ⑴ 運動神経伝導検査における遠位潜時延長遠位潜時の延長は髄鞘の障害を示す所見で、脱髄性ニューロパチーで目立ちます。本症は軸索変性が主体で潜時は保たれやすいです。
- ⑵ 感覚神経伝導検査における伝導ブロック本症は運動ニューロンの病気で、感覚神経は原則として侵されません。伝導ブロックは脱髄性の病態でみられる所見です。
- ⑶ 針筋電図検査における線維束攣縮の電位出現下位運動ニューロンの変性を反映して、針筋電図で線維束攣縮電位などの脱神経所見が出現します。本症に典型的な所見です。
- ⑷ 反復刺激試験における漸減現象〈Waning〉反復刺激で振幅が減る漸減現象は、神経筋接合部の伝達が落ちる重症筋無力症に特徴的な所見です。
- ⑸ 反復刺激試験における漸増現象〈Waxing〉高頻度刺激で振幅が増える漸増現象は、ランバート・イートン筋無力症候群でみられる所見です。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。筋萎縮性側索硬化症では下位運動ニューロンが変性するため、針筋電図で線維束攣縮電位や線維自発電位といった脱神経所見がみられ、神経の再支配を反映する高振幅で持続の長い運動単位電位も現れます。障害の主体は軸索なので運動神経伝導検査の遠位潜時は比較的保たれ、感覚神経は原則として侵されません。反復刺激試験の漸減は重症筋無力症、漸増はランバート・イートン筋無力症候群の所見です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成