高次脳機能障害の作業療法で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
高次脳機能障害の作業療法で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
- ⑴ 記憶障害に対しては間隔伸張法を用いる。間隔伸張法は、想起までの間隔を段階的に延ばして記銘を定着させる方法で、記憶障害への訓練として用いられます。
- ⑵ 遂行機能障害に対してはPQRST 法を用いる。PQRST法は文章を予習・質問・精読・要約・試験の順で読み込む記憶の方略です。遂行機能障害に用いる方法ではありません。
- ⑶ 注意障害に対しては刺激の多い環境を設定する。注意障害では刺激が多い環境が集中を妨げます。音や視覚的な情報を減らした静かな環境を整えるのが原則です。
- ⑷ 社会的行動異常に対しては周囲の人々に症状の理解を促す。社会的行動異常は脳損傷による症状であり、周囲が症状として理解することで対応が変わり、孤立や叱責の悪循環を防げます。
- ⑸ 半側空間無視に対してはAPT〈Attention Process Training〉を用いる。APTは注意機能を段階的に訓練する方法です。半側空間無視には視覚探索訓練やプリズム順応などを用います。
解説
正解は⑴と⑷です。間隔伸張法は、思い出すまでの間隔を少しずつ延ばしながら覚え直させる方法で、記憶障害に対する代表的な訓練にあたります。社会的行動異常では、感情の抑えにくさが本人の性格ではなく脳の損傷による症状だと周囲に理解してもらうことが、対人関係の悪循環を防ぎます。PQRST法は文章を記憶するための方略、APTは注意障害の訓練法であり、いずれも対象とする障害が入れ替わっています。注意障害には刺激を減らした環境を整えてください。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成