鼻腔からの喀痰吸引で正しいのはどれか。
鼻腔からの喀痰吸引で正しいのはどれか。
- ⑴ 吸気圧は16~20 kPa とする。16〜20kPaはおよそ120〜150mmHgにあたり、粘膜を傷つけずに痰を吸引できる標準的な圧です。強すぎる圧は出血や粘膜損傷を招きます。
- ⑵ カテーテルは30 cm 以上挿入する。鼻腔からの挿入は咽頭までのおよそ20cm以内にとどめます。30cm以上入れると気管を刺激し、粘膜損傷や迷走神経反射を招きます。
- ⑶ 一回の吸引は30 秒以上持続して行う。一回の吸引は10〜15秒程度で終えます。30秒以上続けると酸素が奪われ、低酸素血症や不整脈の危険が生じます。
- ⑷ 口腔からの吸引に比べ嘔吐反射が出現しやすい。嘔吐反射は舌根や咽頭後壁を直接刺激する口腔からの吸引で出やすくなります。鼻腔からの吸引のほうがむしろ起こりにくい操作です。
- ⑸ 経鼻胃管が留置されている患者には実施できない。経鼻胃管が留置されていても、管の入っていない側の鼻腔などから吸引できます。留置そのものが禁忌になるわけではありません。
解説
正解は⑴です。喀痰吸引の吸引圧はおよそ16〜20kPa、水銀柱でいえば120〜150mmHg程度を目安とします。これより強いと粘膜を傷つけ、弱いと痰を引ききれません。鼻腔からの挿入は咽頭までのおよそ20cm以内にとどめ、一回の吸引は低酸素を避けるため10〜15秒程度で終えます。嘔吐反射はむしろ口腔からの吸引で出やすく、経鼻胃管が入っていても反対側の鼻腔などから実施できます。実施前後の呼吸状態と酸素飽和度の確認も欠かせません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成