34 歳の女性。統合失調症。大学卒業後に就職したが、すぐに退職し、精神科デイケア…
34 歳の女性。統合失調症。大学卒業後に就職したが、すぐに退職し、精神科デイケアに通所しながら就労移行支援事業所を利用することになった。IPS による就労移行支援を2 年間利用後にケーキ屋に就職した。しかし注意・集中力の低下により、商品名を覚えるのが困難で1 年で退職し、精神科デイケアの作業療法士に「一般就労をしたい」と相談した。患者への提案で最も適切なのはどれか。
- ⑴ 就労定着支援の利用を勧める。就労定着支援は一般就労した人が働き続けられるよう支える制度で、対象は在職者です。すでに退職している本例は利用できません。
- ⑵ 休息を目的とした入院を勧める。気分や精神症状の悪化はみられず、休息を目的とした入院が必要な状況ではありません。就労意欲をそぐことにもなります。
- ⑶ 一般就労をあきらめるように伝える。希望を否定する助言は本人の意欲を損ないます。困難の原因が明らかである以上、そこに働きかける道を示すべきです。
- ⑷ 就労継続支援A 型事業所を紹介する。就労継続支援A型は福祉的就労であり、一般就労を望む本人の希望と合いません。課題に取り組む前に段階を下げる提案になります。
- ⑸ 認知機能の改善を目指したプログラムへの参加を勧める。退職の原因が注意・集中力の低下にあるため、認知機能の改善を目指すプログラムに取り組むことが、一般就労の実現に最も直接つながります。
解説
正解は⑸です。本例が退職に至った直接の理由は、注意や集中力の低下によって商品名を覚えられなかったことですから、一般就労という希望をかなえるには、まず認知機能そのものに働きかけるプログラムへの参加を勧めるのが筋道になります。認知機能リハビリテーションは、注意や記憶、遂行機能の課題を繰り返しながら職場での作業に結び付けていく方法です。就労定着支援は在職中の人が対象であり、希望をあきらめるよう伝えたり福祉的就労に切り替えたりするのは早すぎます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成