65 歳の男性。2 年前から便秘や立ちくらみが目立ち、人物を誤認することもあった…
65 歳の男性。2 年前から便秘や立ちくらみが目立ち、人物を誤認することもあった。最近、小刻み歩行と手の震えが目立ち、壁のシミを「虫がいる」と発言するようになった。家族への暴言が多くなり対応困難で入院となった。入院後、作業療法が処方され、集団作業療法が行われている。この患者に対する作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
- ⑴ 性的逸脱行為に注意する。性的逸脱行為は脱抑制の症状で、前頭側頭型認知症で問題になります。本例の経過から予測される行動ではありません。
- ⑵ 複数の課題を同時進行で行う。複数の課題を同時に進めると注意が分散し、混乱や失敗を招きます。この病型では課題を一つずつ提示するのが原則です。
- ⑶ 認知機能の日内変動に注意する。レビー小体型認知症では認知機能が日内で大きく変動します。同じ課題でもできる時とできない時があるため、その日の状態に合わせた調整が必要です。
- ⑷ 未経験の活動種目を中心に行う。未経験の活動は手順の学習を要し、混乱や拒否を招きます。慣れた活動を中心に据えるほうが安全です。
- ⑸ 流動的に活動メンバーを入れ替える。メンバーが頻繁に入れ替わる環境は、人物誤認のある本例の混乱を強めます。顔ぶれや場を一定に保つ配慮が必要です。
解説
正解は⑶です。便秘や立ちくらみといった自律神経症状が先行し、人物誤認や具体的な幻視、小刻み歩行と手の震えといったパーキンソン症状がそろう経過は、レビー小体型認知症を示します。この病型では注意や覚醒の水準が日によって、また同じ日の中でも大きく変動するため、集団作業療法では調子の波を見ながら参加の仕方を調整することが求められます。慣れない課題や複数課題の同時進行、頻繁なメンバーの入れ替えは混乱を強めるので避けてください。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成