23 歳の男性。中学時代から引きこもりがあり、自宅では一人で工作やプラモデル作り…
23 歳の男性。中学時代から引きこもりがあり、自宅では一人で工作やプラモデル作りをしていた。20 歳時に通信制高校を卒業したが、就職せずに自閉的な生活を送っていた。睡眠障害で精神科を受診し、社交不安障害と診断された。薬物療法で外出可能な状態となり、外来作業療法が開始された。導入期の作業療法で最も適切なのはどれか。
- ⑴ 言語的交流が必要な作業を行う。言語的な交流が中心の作業は、人からどう見られるかという不安を直接刺激します。導入期の負荷としては大きすぎます。
- ⑵ 就職希望の職種の聴取を行う。職種の聴取は就労を意識させる段階の課題です。外来作業療法が始まったばかりの本例には早く、本人の負担になります。
- ⑶ 他者と共同製作作業を行う。共同製作は他者と歩調を合わせる必要があり、対人場面の負荷が高くなります。導入期には向きません。
- ⑷ プラモデル製作を行う。慣れ親しんだ個人作業であり、対人的な負荷が小さく成功体験も得やすいため、通所を続ける足がかりとして導入期に最も適しています。
- ⑸ 履歴書の書き方の学習会に参加する。集団への参加と就職準備という二つの負荷が重なるため、導入期の課題としては重すぎ、通所の中断を招きかねません。
解説
正解は⑷です。社交不安障害は人から評価される場面で強い不安が生じる病態ですから、導入期には対人的な負荷が小さく、本人がもともと慣れ親しんできた個人作業から始めるのが原則になります。プラモデル製作は以前から自宅で続けてきた活動で、成功体験を得やすく、作業療法の場に通うこと自体への抵抗も小さくできます。会話を求められる作業や共同製作、集団での学習会、就職先の具体的な聴取は、いずれもこの段階では不安を高めてしまいます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成