60 歳の女性。専業主婦。Alzheimer 型認知症。1 年前から最近の出来事…
60 歳の女性。専業主婦。Alzheimer 型認知症。1 年前から最近の出来事を徐々に思い出せなくなり、家に引きこもりがちになった。趣味をする気力がなくなり近所づきあいも減った。「物が盗まれた」などの被害的な言動が増加したため、心配した夫に伴われて精神科を受診した。服薬治療を開始し、重度認知症患者デイケアを利用することとなった。この患者の特徴で適切なのはどれか。
- ⑴ 認知機能が変動する。認知機能が日や時間帯で大きく変動するのはレビー小体型認知症の特徴です。アルツハイマー型は緩やかに進行します。
- ⑵ いつも同じ席に座りたがる。いつも同じ席に座りたがるのは常同行動で、前頭側頭型認知症でみられます。アルツハイマー型の特徴ではありません。
- ⑶ 具体的な幻視について話す。人や動物がはっきり見えるという具体的な幻視はレビー小体型認知症の中核症状です。アルツハイマー型では目立ちません。
- ⑷ 睡眠時に大きな声で寝言を言う。睡眠中に大声で寝言を言うのはレム睡眠行動障害で、レビー小体型認知症に先行してみられます。アルツハイマー型の特徴ではありません。
- ⑸ 外出時に帰ることができなくなる。場所の見当識障害により外出先から帰れなくなるのは、アルツハイマー型認知症に特徴的です。近時記憶の障害や物盗られ妄想とあわせて現れます。
解説
正解は⑸です。アルツハイマー型認知症では早い時期から近い記憶の障害と場所の見当識障害が現れ、慣れた道でも自分がどこにいるか分からなくなって帰れなくなることが典型的です。本例の、最近の出来事を思い出せない経過や、物を盗られたと訴える被害的な言動も、この病型でよくみられます。ほかの選択肢は、認知機能の変動、はっきりした幻視、睡眠中に大声を出す異常行動というレビー小体型の特徴や、決まった席にこだわる前頭側頭型の常同行動にあたります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成