56 歳の女性。4 年前に関節リウマチと診断された。Steinbrocker の…
56 歳の女性。4 年前に関節リウマチと診断された。Steinbrocker のステージ3 、クラス3 。趣味は料理、手芸および絵画で活動への意欲は高い。両肩関節と両股関節の可動域制限は著明であり、起き上がりが困難である。後頸部と両膝の痛みを訴えている。作業療法で適切なのはどれか。
- ⑴ 趣味活動の絵画は中止する。意欲の高い趣味を一律に中止すると生活の張りが失われます。関節を守る道具や姿勢を工夫して続けられる形にするのが原則です。
- ⑵ 柔らかいマットレスの導入を勧める。柔らかいマットレスは身体が沈み込むため、もともと困難な起き上がりがさらに難しくなります。ある程度硬さのある寝具が適しています。
- ⑶ 高さのある枕を使用するように勧める。高い枕は頸椎を前屈させ、後頸部痛を強めます。関節リウマチでは環軸椎の亜脱臼を招く危険もあるため、低めの枕を勧めます。
- ⑷ 等張性収縮を利用した上肢の筋力維持を図る。等張性収縮は関節を動かしながら力を出すため、炎症のある関節に負担がかかります。関節を動かさない等尺性収縮で筋力を保つのが原則です。
- ⑸ 料理の際は座面の高い椅子を使用するように勧める。座面の高い椅子は立ち座りでの膝と股関節の曲がりを浅くし、痛みと負担を減らします。可動域制限のある本例が料理を続けるための適切な工夫です。
解説
正解は⑸です。関節リウマチのクラス3では身の回りの動作に制限があり、本例は両股関節の可動域制限と両膝の痛みを抱えているため、座面の高い椅子を使えば立ち座りのときに膝と股関節を深く曲げずに済み、負担と痛みを抑えながら料理を続けられます。関節保護とは活動を取り上げることではなく、続けられる形に変える工夫です。寝具が柔らかすぎたり枕が高すぎたりすると起き上がりや後頸部の症状を悪化させるため、環境調整では硬さと高さにも配慮してください。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成