80 歳の男性。3 年前にAlzheimer 型認知症と診断された。妻の介護で在…
80 歳の男性。3 年前にAlzheimer 型認知症と診断された。妻の介護で在宅生活を続けてきたが、夜間不眠、妄想と興奮が顕著となり入院治療を受けた。その後、症状が落ち着き、在宅復帰の前段階として介護老人保健施設に入所した。この入所者の行動・心理症状の評価で適切なのはどれか。
- ⑴ ADASADASは記憶や言語などの認知機能を評価する尺度で、薬の効果判定にも用いられます。行動・心理症状の評価ではありません。
- ⑵ CDRCDRは記憶や見当識、社会適応などから認知症の重症度を判定する尺度です。症状の内容や強さは測れません。
- ⑶ FABFABは前頭葉機能を調べる簡易検査で、概念化や運動系列などを評価します。行動・心理症状の評価には用いません。
- ⑷ FASTFASTはアルツハイマー型認知症の生活機能の障害を7段階で示す病期分類です。妄想や興奮の程度は評価できません。
- ⑸ NPI介護者への聞き取りで妄想、興奮、夜間行動などの頻度と重症度を評価でき、行動・心理症状の把握に適しています。
解説
正答は⑸です。NPIは妄想、幻覚、興奮、抑うつ、不安、無為、脱抑制、夜間行動などの項目について、介護者への聞き取りで頻度と重症度を評価する尺度で、認知症の行動・心理症状を把握する目的に合っています。本例の夜間不眠や妄想、興奮の程度と経過を数量化し、入所後の変化を追うことができます。他の選択肢は認知機能、重症度、前頭葉機能、生活機能の段階を測る尺度であり、症状そのものの強さは評価できません。評価の目的と尺度の対応を整理して覚えておきましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成