51 歳の男性。境界性パーソナリティ障害。見捨てられ不安が強く、職場や家庭での対…
51 歳の男性。境界性パーソナリティ障害。見捨てられ不安が強く、職場や家庭での対人関係が不安定であった。ストレスが強くなると自傷行為や暴力行為を繰り返し、ストレスが軽減すると精神科デイケアに安定して通所した。母親がデイケア担当の作業療法士に患者対応のアドバイスを求めた。母親への助言・指導で適切でないのはどれか。
- ⑴ 家族会に関する情報提供を行う。同じ立場の家族と経験を分かち合う場は、対応の工夫を学び孤立を防ぐうえで有用です。適切な助言なので正答ではありません。
- ⑵ 家族自身の時間を確保する意義を伝える。家族が自分の生活を保つことは疲弊を防ぎ、安定した対応を続ける前提になります。適切な助言であり正答ではありません。
- ⑶ 患者の言動には一喜一憂しないように伝える。言動に振り回されず一定の態度で接することは、対人関係の不安定さに巻き込まれないための基本です。適切な助言です。
- ⑷ 自傷行為の予防のために常時監視するように促す。常時監視は本人の自律を奪って依存と不安を強め、家族も追い詰めます。危険が高いときは医療機関に連絡する取り決めを作ります。
- ⑸ 家族への暴力行為があるときはその場を離れるように助言する。暴力の場から離れることは家族と本人の安全を守る具体的な方法であり、適切な助言に当たります。
解説
正答は⑷です。自傷行為を防ぐために家族が常時監視することは、本人の自律を奪って依存と見捨てられ不安をかえって強め、家族も疲弊するため適切ではありません。境界性パーソナリティ障害の家族支援では、家族自身の生活と時間を守り、患者の言動に巻き込まれず一定の枠組みで対応することが基本になります。家族会などの情報提供や、暴力があればその場を離れて安全を確保するという助言はいずれも適切です。危険が高いときは監視ではなく、医療機関へ連絡する取り決めを作っておきます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成