36 歳の女性。5 か月の乳児の子育て中。1 か月前から周囲への興味と関心が低下…
36 歳の女性。5 か月の乳児の子育て中。1 か月前から周囲への興味と関心が低下し、育児がおろそかになってきた。物事の判断が鈍くなり、育児に自信をなくし、ささいなことで不安になった。うつ病と診断され、乳児を実母に預けて入院した。入院後早期に不安の軽減を目的に作業療法が開始された。導入時の作業療法で優先すべき対応はどれか。
- ⑴ 運動で体力の増強を図る。導入時に体力増強を目標にすると疲労が増し、できないという自責感を強めるおそれがあります。まず休息と生活の安定を図ります。
- ⑵ 趣味をみつけるよう働きかける。意欲や関心が低下している時期に趣味探しを促すと、選べないこと自体が負担となって不安を強めます。
- ⑶ 子育てに関するアドバイスを行う。育児に自信をなくしている方に助言を重ねると、責任を意識させて不安と自責感を強めます。導入時には避けます。
- ⑷ 集団レクリエーションで気分転換を図る。集団の刺激は不安が強い導入時には過剰で、他者との比較で気分が沈むこともあります。個別の関わりから始めます。
- ⑸ ゆとりが持てるような日中の過ごし方を話し合う。休息を確保しつつ日中の見通しを一緒に立てることで、判断の負担が減って不安が軽くなります。導入時の目的に合った対応です。
解説
正答は⑸です。うつ病の入院早期に不安の軽減を目的とする段階では、休息を確保しながら無理のない生活の枠組みを一緒に整えることが優先されます。日中の過ごし方を話し合えば、何をどこまで行うかの見通しが立ち、自分で判断する負担が減って不安が和らぎます。体力増強のための運動や趣味探し、集団レクリエーションは意欲と集中力が落ちた時期には負担となり、育児に関する助言は自信のなさを刺激します。回復に応じて活動の幅を広げていく順序を押さえておきましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成