13 歳の男子。中学校入学後クラスでの様子を心配した担任から母親に連絡があり、母…
13 歳の男子。中学校入学後クラスでの様子を心配した担任から母親に連絡があり、母親に伴われて精神科に来院した。幼少期から物音および匂いに敏感であったという。成績は上位。鉄道に強い興味があり、同級生はその知識にはじめは関心を示したが、一度話し始めると一方的に自分の興味のある話を続けるため、次第に孤立した。本人は他の生徒との関係に無頓着である。最も考えられるのはどれか。
- ⑴ うつ病うつ病では抑うつ気分や興味の減退、睡眠や食欲の変化が中心です。幼少期からの感覚過敏や限定的な興味は説明できません。
- ⑵ 限局性学習障害限局性学習障害は読み書きや計算など特定の学習領域のつまずきが中心で、成績が上位の本例には当てはまりません。
- ⑶ 行為障害行為障害は攻撃や規則違反など、他者の権利を侵害する行動が繰り返される状態です。本例にそのような行動はみられません。
- ⑷ 自閉症スペクトラム障害感覚過敏、限定された強い興味、一方的な会話と対人相互性の乏しさがそろっており、自閉症スペクトラム障害の特徴に合致します。
- ⑸ 選択性緘黙選択性緘黙は家庭では話せるのに学校など特定の場面で話せなくなる状態です。本例は自分の興味の話を続けており異なります。
解説
正答は⑷です。幼少期からの音や匂いへの過敏さ、鉄道への強く限定された興味、一方的に話し続ける対人的な相互性の乏しさ、他の生徒との関係への無頓着さは、いずれも自閉症スペクトラム障害の特徴です。知的な遅れがなく成績が上位でも、社会的コミュニケーションの質的な困難と、限定された興味や感覚の特異性がそろえば診断されます。抑うつ、特定の学習領域のつまずき、反社会的な行動、場面によって話せなくなる症状は、この事例の中心症状を説明できません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成