86 歳の女性。介護老人保健施設に入所中。トイレで便座から立ち上がる際、突然大量…
86 歳の女性。介護老人保健施設に入所中。トイレで便座から立ち上がる際、突然大量の嘔吐をした。2 日前から同施設内で3 名のノロウイルス感染症が発生している。ノロウイルスの感染症対策で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
- ⑴ 介助していた職員を隔離する。隔離の対象は症状のある入所者です。介助した職員には手指衛生と健康観察を行い、症状が出たときに就業を制限します。
- ⑵ 入所者に手指衛生を指導する。ノロウイルスは口から入って感染するため、石けんと流水による手洗いを入所者にも指導することが感染拡大の防止に直結します。
- ⑶ 吐物の清拭時に防護具を着用する。吐物にはウイルスが大量に含まれ、飛散もします。手袋・マスク・エプロンを着用して処理し、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。
- ⑷ 全職員に抗ウイルス薬を予防投与する。ノロウイルスに有効な抗ウイルス薬はなく、予防投与という対策は成り立ちません。治療は脱水の補正が中心になります。
- ⑸ トイレの手すりの消毒にはアルコールが推奨される。ノロウイルスはエンベロープを持たないためアルコールが効きにくく、手すりなどの消毒には次亜塩素酸ナトリウムが推奨されます。
解説
正答は⑵と⑶です。ノロウイルスは手指や吐物、便を介して口から入って感染するため、入所者と職員の手指衛生の徹底と、吐物処理時に手袋・マスク・エプロンなどの防護具を着用することが対策の中心になります。吐物はペーパーで覆って外側から内側へ静かに拭き取り、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。アルコールは効きにくく、有効な抗ウイルス薬もないため予防投与は行いません。隔離するのは症状のある入所者であり、介助した職員には手指衛生と健康観察を行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成