68 歳の女性。脳梗塞で回復期リハビリテーション病院に入院中。作業療法中に図のよ…
68 歳の女性。脳梗塞で回復期リハビリテーション病院に入院中。作業療法中に図のような状態を示した。考えられる障害はどれか。
- ⑴ 観念失行観念失行は道具の使い方や一連の動作の順序が分からなくなる障害で、物品が何であるかは分かります。使用の障害と認知の障害を区別します。
- ⑵ 拮抗失行拮抗失行は左右の手が互いに反対の動作をしてしまう症状で、脳梁の病変でみられます。物品の認知の問題ではありません。
- ⑶ 相貌失認相貌失認は顔から人物を同定できない障害で、声や服装などの手がかりがあれば分かります。物品全般の認知障害とは異なります。
- ⑷ 脳梁失行脳梁失行は脳梁の離断により左手が言語命令に従えなくなるもので、離断症状のひとつです。見たものが分からないという症状ではありません。
- ⑸ 連合型視覚失認見た形の模写や照合はできるのに意味に結びつかず、触覚や聴覚を使えば分かる点が連合型視覚失認の特徴で、図の状態に一致します。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正答は⑸です。連合型視覚失認は、見たものの形を写したり同じ形を選ぶことはできるのに、それが何であるかが分からず、触ったり音を聞いたりすれば分かるという状態です。図の場面は物品を見ても用途や名称に結びつかない様子を示しており、視覚情報と意味記憶の連合が断たれたために生じたと考えられます。失行や顔の認知の障害では、視覚以外の感覚を使えば分かるという特徴を説明できません。後頭葉から側頭葉にかけての病変で生じやすいことも押さえておきましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成