60 歳の男性。作業中に転倒し、左手をついて受傷した。単純エックス線写真(別冊N…
60 歳の男性。作業中に転倒し、左手をついて受傷した。単純エックス線写真(別冊No. 1)を別に示す。診断はどれか。
- ⑴ Barton 骨折バートン骨折も橈骨遠位端の骨折ですが、関節面を含む骨片がずれて手関節が亜脱臼する脱臼骨折です。関節内骨折であるという点が本問の所見とは異なります。
- ⑵ Bennett 骨折ベネット骨折は第1中手骨基部の関節内骨折で、母指に軸圧が加わって生じます。母指基部の痛みと腫脹が主症状であり、手関節部の骨折ではありません。
- ⑶ Boxer’s 骨折ボクサー骨折は拳で強く打ちつけたときに生じる第5中手骨頸部の骨折です。小指側の中手骨に痛みと変形が出るもので、転倒して手をついた場合の典型ではありません。
- ⑷ Colles 骨折手をついて転倒した際に橈骨遠位端が背側へ転位する骨折で、コレス骨折の典型的な受傷機序と画像所見です。中高年以降に多く、手関節背側の腫脹と変形を伴います。
- ⑸ Roland 骨折ローランド骨折は第1中手骨基部のT字型・Y字型の関節内粉砕骨折で、ベネット骨折と同じく母指基部の外傷です。手関節部の所見は説明できません。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正答はコレス骨折です。手をついて転倒した際に橈骨遠位端が背側へ転位する骨折で、単純エックス線写真では橈骨遠位端の骨折線と背側転位、いわゆるフォーク背状変形がみられます。中高年以降の転倒で最も多い上肢の骨折です。他の選択肢は母指基部や中手骨の骨折であり、受傷機序も部位も異なるため、手をついた転倒による橈骨遠位端の所見を説明できません。作業療法では手関節の可動域制限と手指の浮腫、複合性局所疼痛症候群の予防に注意します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成