自傷や社会的問題行動が絶えない境界性パーソナリティ障害の患者に対する作業療法士の…
自傷や社会的問題行動が絶えない境界性パーソナリティ障害の患者に対する作業療法士の対応として適切でないのはどれか。
- ⑴ 適宜治療目標を確認する。治療目標を折にふれて確認することは、治療の枠組みを保つうえで適切な対応です。
- ⑵ 患者の治療への主体的参加を促す。主体的な参加を促すことは、自己決定を支え責任を引き受ける力を育てる適切な対応です。
- ⑶ 疾患に伴う問題を率直に説明する。疾患に伴う問題を率直に伝えることは、本人が自分の特徴を理解するうえで適切です。
- ⑷ 治療関係で生じる転移を利用する。転移の取り扱いは精神分析的技法であり、作業療法士の関わりとしては適切ではありません。
- ⑸ 薬物療法も含めた統合的治療を検討する。薬物療法を含めた多面的な治療を検討することは、チームでの対応として適切です。
解説
正解は⑷です。転移を治療に用いるのは精神分析的な心理療法の技法で、訓練を受けた治療者が構造化された枠組みの中で行うものです。自傷や問題行動が続いている境界性パーソナリティ障害の患者に対して作業療法士が転移を扱おうとすると、感情の揺れが激しくなって関係が混乱し、かえって行動化を強めてしまいます。転移の扱いは主治医と心理職に委ね、作業療法士は活動を通した関わりに徹しましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-08_09.html)を加工して作成