30 歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷で大学病院に入院…
30 歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷で大学病院に入院。全身状態が安定したため、回復期リハビリテーション病院に転院となった。転院後もリハビリテーション治療が継続され、現在5 か月が経過した。運動障害や感覚障害を認めず、歩行は自立している。しかし、日中はボーッとして過ごし、促されないと行動に移せない。会話は成立するが、自発性に乏しい。この患者の高次脳機能評価として最も適切なのはどれか。
- ⑴ CBSCBSは日常行動の観察から半側空間無視の程度をみる尺度で、自発性の低下はとらえられません。
- ⑵ BADS日常生活に近い六つの下位検査と質問紙で遂行機能を総合的に調べられます。
- ⑶ SLTASLTAは標準失語症検査です。会話は成立しており失語は認めないため、適応になりません。
- ⑷ SPTASPTAは標準高次動作性検査で失行をみるものです。道具の使用の誤りは述べられていません。
- ⑸ VPTAVPTAは標準高次視知覚検査で視覚失認や空間の認知をみるもので、自発性の評価には用いません。
解説
正解は⑵です。前頭葉背外側部は、目標を決めて計画を立て、順序よく実行し、必要に応じて切り替える遂行機能を担っています。この患者は運動障害も失語もなく、日中ぼんやりして促されないと動けないという自発性の低下が主な症状であり、遂行機能障害が疑われます。BADSは買い物や規則の切り替えなど日常生活に近い課題で遂行機能を総合的にみる検査なので、評価として最も適しています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp230524-08_09.html)を加工して作成