骨髄塗抹標本の鉄染色像(別冊No. 11)を別に示す。考えられる疾患はどれか。
骨髄塗抹標本の鉄染色像(別冊No. 11)を別に示す。考えられる疾患はどれか。
- ⑴ 真性多血症真性多血症は造血幹細胞の異常により赤血球が絶対的に増える疾患で、骨髄では過形成が目立ちます。環状鉄芽球は特徴となりません。
- ⑵ 悪性リンパ腫悪性リンパ腫では骨髄浸潤があればリンパ系腫瘍細胞の集簇がみられます。鉄染色で環状鉄芽球を示す疾患ではありません。
- ⑶ 多発性骨髄腫多発性骨髄腫では形質細胞の著しい増加が特徴です。鉄染色での環状鉄芽球は本症の所見ではありません。
- ⑷ 巨赤芽球性貧血巨赤芽球性貧血ではビタミンB12や葉酸の不足による核の成熟障害で巨赤芽球が現れます。環状鉄芽球が主体となる疾患ではありません。
- ⑸ 骨髄異形成症候群正しい記述です。核の周囲に鉄顆粒が環状に並ぶ環状鉄芽球は、骨髄異形成症候群のうち環状鉄芽球を伴う型に特徴的な所見です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正しいのは⑸で、考えられる疾患は骨髄異形成症候群です。示された鉄染色像では、赤芽球の核の周囲に鉄顆粒が環状に並ぶ環状鉄芽球が認められます。これはミトコンドリアに鉄が過剰にたまった所見で、骨髄異形成症候群のうち環状鉄芽球を伴う型に特徴的です。他の疾患ではこの所見は特徴となりません。真性多血症は赤血球の絶対的な増加が主体、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫は腫瘍細胞の浸潤が問題となり、巨赤芽球性貧血では核の成熟障害を示す巨赤芽球がみられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-07.html)を加工して作成