組織標本作製用固定液で正しいのはどれか。
組織標本作製用固定液で正しいのはどれか。
- ⑴ 10%ホルマリンは中性脂肪を溶解する。ホルマリンは中性脂肪を溶解しません。脂肪を溶かすのは脱水や脱脂に用いるアルコールやキシレンなどの有機溶媒です。
- ⑵ グルタルアルデヒドは組織への浸透力が強い。グルタルアルデヒドは分子が大きく浸透力が弱いため、1ミリメートル角程度の小片にして固定します。電子顕微鏡用の固定に用いられます。
- ⑶ 4 %パラホルムアルデヒドにはギ酸が含まれる。パラホルムアルデヒドを加熱溶解して調製する液にギ酸は含まれません。ギ酸はホルムアルデヒドが酸化して生じる不純物です。
- ⑷ 10%中性緩衝ホルマリンは網羅的遺伝子解析に適する。リン酸緩衝液で中性に保たれ核酸の分解が抑えられるため、遺伝子パネル検査など網羅的遺伝子解析に用いる検体の固定液として推奨されています。
- ⑸ 10%中性ホルマリンの作製には塩化ナトリウムを用いる。中性に保つために用いるのはリン酸二水素ナトリウムとリン酸水素二ナトリウムなどの緩衝剤です。塩化ナトリウムには緩衝作用がありません。
解説
正解は⑷です。10パーセント中性緩衝ホルマリンはリン酸緩衝液で中性に調整されており、酸による核酸の分解を抑えられるため、次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子解析に適した固定液とされています。他の選択肢は誤りで、ホルマリンは中性脂肪を溶解せず、グルタルアルデヒドは分子が大きいため組織への浸透力が弱く電子顕微鏡用の小片固定に用いられます。4パーセントパラホルムアルデヒドはギ酸を含まず、中性ホルマリンの調製に用いるのはリン酸塩の緩衝剤です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-07.html)を加工して作成