28 歳の男性。血液検査で異常を指摘されたため来院した。血液所見:白血球199,…
28 歳の男性。血液検査で異常を指摘されたため来院した。血液所見:白血球199,000/μL、赤血球228 万/μL、Hb8.2 g/dL、血小板25.7 万/μL。末梢血のMay-Giemsa 染色標本の弱拡大写真(別冊No. 13A)と強拡大写真(別冊No. 13B)を別に示す。染色体検査で予想される所見はどれか。
- ⑴ t(8;21)t(8;21)は急性骨髄性白血病に伴う転座です。各成熟段階の顆粒球がそろう本例の所見とは合いません。
- ⑵ t(9;22)9番と22番染色体の相互転座でBCR-ABL1融合遺伝子が生じ、慢性骨髄性白血病のフィラデルフィア染色体となります。
- ⑶ t(12;21)t(12;21)は小児のB前駆細胞性急性リンパ性白血病に多い転座で、本例の所見とは合いません。
- ⑷ t(15;17)t(15;17)は急性前骨髄球性白血病に伴う転座で、ファゴット細胞や著明な凝固異常を伴います。
- ⑸ inv(16)inv(16)は好酸球の異常を伴う急性骨髄性白血病に対応する染色体異常です。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。白血球が199,000と著明に増加しながら血小板は減っておらず、塗抹標本では骨髄芽球から成熟好中球までの各成熟段階の顆粒球が連続してみられ、好塩基球の増加も伴うという所見は慢性骨髄性白血病に典型的です。この疾患では9番染色体と22番染色体の相互転座によってBCR-ABL1融合遺伝子が生じ、フィラデルフィア染色体として検出されます。他の転座は別の疾患に対応し、t(8;21)とinv(16)は急性骨髄性白血病、t(12;21)は小児B前駆細胞性急性リンパ性白血病、t(15;17)は急性前骨髄球性白血病に伴います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-07.html)を加工して作成