飛行時間型質量分析〈TOF-MS〉法で誤っているのはどれか。
飛行時間型質量分析〈TOF-MS〉法で誤っているのはどれか。
- ⑴ イオン化物質は大気圧中を飛行する。飛行管の内部は高真空に保たれます。大気圧では気体分子との衝突で軌道や速度が乱れるため、この記述が誤りです。
- ⑵ イオン化物質の電荷は飛行時間に影響する。同じ電位差で加速されると電荷の大きいイオンほど速く飛ぶため、電荷は飛行時間に影響します。正しい記述です。
- ⑶ イオン化物質の飛行速度はエネルギー保存の法則から算出される。加速で与えた電気的な位置エネルギーが運動エネルギーに変わるという関係から飛行速度が導かれます。正しい記述です。
- ⑷ イオン化物質はレーザーの熱エネルギーへの変換により引き出される。マトリックスが吸収したレーザーの熱エネルギーによって試料が脱離しイオンとして引き出されます。正しい記述です。
- ⑸ イオン化にはマトリックス支援レーザー脱離イオン化〈MALDI〉法が汎用される。マトリックス支援レーザー脱離イオン化法は蛋白質や微生物同定に広く使われるイオン化法です。正しい記述です。
解説
正解は⑴です。飛行時間型質量分析法では、イオン化した物質が飛行管の中を一定の距離だけ飛ぶ時間から質量電荷比を求めます。飛行の途中で気体分子とぶつかると軌道や速度が乱れて測定できなくなるため、飛行管の内部は高真空に保たれます。大気圧中を飛行するという記述は誤りです。設問は誤っているものを選ぶ形式ですから、残る四つは正しい記述であって正答になりません。飛行速度は与えた電位差による運動エネルギーから導かれ、電荷が大きいほど加速されて速く飛び、イオン化にはマトリックス支援レーザー脱離イオン化法が広く使われます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-07.html)を加工して作成