子宮頸部細胞診のPapanicoloau 染色標本の弱拡大写真(別冊No. 11…
子宮頸部細胞診のPapanicoloau 染色標本の弱拡大写真(別冊No. 11A)と強拡大写真(別冊No. 11B)を別に示す。適切な判定はどれか。
- ⑴ NILM〈陰性〉上皮内病変や癌を示す細胞がない場合の判定です。明らかな核異型のある細胞が多数みられる今回の像には当てはまりません。
- ⑵ LSIL〈軽度扁平上皮内病変〉核の軽度の拡大やコイロサイトーシスが主体で、細胞質は比較的広く保たれます。強い核形不整や壊死性背景はみられません。
- ⑶ HSIL〈高度扁平上皮内病変〉核異型は強いものの、細胞は小型でそろい、壊死性の背景や著明な多形性、異常角化は目立ちません。浸潤を示す所見が加わる点で異なります。
- ⑷ SCC〈扁平上皮癌〉著明な核異型と多形性、細胞質の異常角化、壊死物質を伴う背景がそろっており、浸潤性の扁平上皮癌と判定されます。
- ⑸ Adenocarcinoma〈腺癌〉腺癌では核が偏在した円柱状の細胞が柵状や腺腔状に並び、細胞質は淡く粘液性です。扁平上皮性の異常角化とは異なります。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。示された標本では、弱拡大で異型細胞が多数集まり、背景に壊れた細胞や壊死物質が目立ち、強拡大では核の大小不同とクロマチンの増量、著しい核形の不整、明瞭な核小体、細胞質の異常な角化がみられます。これらは浸潤を伴う扁平上皮癌に特徴的な所見です。上皮内病変では壊死性の背景や強い多形性は乏しく、腺癌では柵状や腺腔状の配列を示すため、いずれも今回の像とは一致しません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-07.html)を加工して作成