緩衝食塩溶液の希釈系列に検体A(ヘパリン血)を滴下後37 ℃で2 時間静置した。…
緩衝食塩溶液の希釈系列に検体A(ヘパリン血)を滴下後37 ℃で2 時間静置した。その溶血度(%)と食塩濃度(%)の関係(別冊No. 13)を別に示す。考えられるのはどれか。
- ⑴ 鉄欠乏性貧血鉄欠乏性貧血では赤血球が小型で扁平になり容積に余裕があるため浸透圧抵抗が増し、薄い食塩水でも溶血しにくくなります。
- ⑵ 巨赤芽球性貧血巨赤芽球性貧血では赤血球が大型になり、浸透圧抵抗はむしろ減弱する傾向を示します。抵抗が増す所見とは合いません。
- ⑶ 再生不良性貧血再生不良性貧血は造血幹細胞の障害による血球減少で、赤血球の形態や浸透圧抵抗に特徴的な変化は示しません。
- ⑷ 遺伝性球状赤血球症遺伝性球状赤血球症では表面積が減って球状になるため抵抗が減弱し、濃い食塩水の段階から溶血が始まります。
- ⑸ 自己免疫性溶血性貧血自己免疫性溶血性貧血では球状赤血球が現れることが多く、抵抗はむしろ減弱する方向に傾きます。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。赤血球の浸透圧抵抗を調べる検査で、溶血が始まる食塩濃度が正常より低いほうへずれている、すなわち薄い食塩水でも溶血しにくい場合は、抵抗が増していることを示します。鉄欠乏性貧血では赤血球が小型で扁平になり、表面積に対する容積の割合が小さいため水を取り込む余裕が大きく、抵抗が増します。反対に球状赤血球では抵抗が減弱し、濃い食塩水の段階から溶血が始まります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)を加工して作成