自然尿検体のPapanicolaou 染色標本の弱拡大写真(別冊No. 9A)と…
自然尿検体のPapanicolaou 染色標本の弱拡大写真(別冊No. 9A)と強拡大写真(別冊No. 9B)を別に示す。考えられるのはどれか。
- ⑴ 円柱上皮細胞円柱上皮細胞は核が小さく整い、細胞質が丈の高い形をとります。悪性を示す核の所見は認められません。
- ⑵ 尿路上皮細胞正常な尿路上皮細胞は核が円形で大きさもそろっており、クロマチンの増量や核形の不整は認めません。
- ⑶ デコイ細胞デコイ細胞はポリオーマウイルスの感染で生じ、核内にすりガラス状の封入体を認めます。癌細胞とは所見が異なります。
- ⑷ 尿路上皮癌細胞核の腫大、核と細胞質の比の増大、クロマチンの増量と不均一な分布、核形の不整がそろっており、尿路上皮癌の細胞と考えられます。
- ⑸ リンパ腫細胞リンパ腫細胞は細胞質に乏しい小型で孤立性の細胞として現れます。尿検体で問題になることは多くありません。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。核の腫大、核と細胞質の比の増大、クロマチンの増量と分布の不均一、核形の不整といった悪性を示す所見がみられる細胞であり、自然尿という検体と合わせて尿路上皮癌の細胞と考えられます。正常な尿路上皮細胞や円柱上皮細胞では核は小さく整っており、こうした所見は認められません。デコイ細胞は核内にすりガラス状の封入体をもつ点で、癌細胞とは区別されます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)を加工して作成