62 歳女性。慢性肝疾患のため通院中である。意識障害が出現し記録した脳波(別冊N…
62 歳女性。慢性肝疾患のため通院中である。意識障害が出現し記録した脳波(別冊No. 5)を別に示す。所見はどれか。
- ⑴ 三相波三相波は肝性脳症など代謝性脳症でみられる特徴的な高振幅の徐波で、慢性肝疾患に伴う意識障害という経過と合致します。
- ⑵ 徐波群発徐波群発は麻酔深度の変化や重度の脳機能低下などでみられる所見で、肝性脳症に特徴的な波形ではありません。
- ⑶ 棘徐波複合棘徐波複合はてんかん性の異常波で、欠神発作などでみられます。代謝性脳症の所見ではありません。
- ⑷ 周期性同期性放電周期性同期性放電はクロイツフェルト・ヤコブ病や亜急性硬化性全脳炎でみられる所見です。
- ⑸ ヒプスアリスミアヒプスアリスミアは点頭てんかん(ウエスト症候群)でみられる、乳児期の高振幅で無秩序な脳波所見です。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。慢性肝疾患の経過中に意識障害が現れた場合は肝性脳症が疑われ、脳波では三相波と呼ばれる特徴的な波形が両側前頭部に優位に出現します。三相波は陰性・陽性・陰性の三つの成分からなる高振幅の徐波で、肝性脳症をはじめとする代謝性脳症でみられます。他の選択肢は、てんかんや乳児期の特定の脳症、クロイツフェルト・ヤコブ病などでみられる別の所見であり、本症例の経過とは合いません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)を加工して作成