TSI 培地に細菌を接種して1 日後の写真(別冊No. 14)を別に示す。推定さ…
TSI 培地に細菌を接種して1 日後の写真(別冊No. 14)を別に示す。推定されるのはどれか。
- ⑴ Citrobacter freundiiこの菌は硫化水素を強く産生してガスも出すため、高層部が広く黒変し亀裂が生じます。わずかな黒変にとどまる所見とは合いません。
- ⑵ Enterobacter cloacaeこの菌は乳糖を分解するため斜面部まで黄変し、ガスも産生します。斜面部が赤いままの所見とは異なります。
- ⑶ Proteus vulgarisこの菌は硫化水素を強く産生し、尿素を速やかに分解する性状をもちます。黒変がわずかである所見には合いません。
- ⑷ Salmonella enterica subsp. enterica serovar Typhi斜面部は赤く高層部のみ黄変し、ガスは出ず、硫化水素の産生がごくわずかである点が腸チフスの原因菌の反応の型に一致します。
- ⑸ Shigella sonneiこの菌は硫化水素を全く産生せず、ガスも出しません。接種線に沿ったわずかな黒変がみられる点で区別できます。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。写真の培地は斜面部が赤いままで高層部だけが黄色に変わっており、ブドウ糖は分解するが乳糖と白糖は分解しないことを示します。またガスによる亀裂や気泡はなく、接種した線に沿ってごくわずかに黒変がみられ、硫化水素の産生が弱いことが分かります。この組合せは腸チフスの原因菌に一致します。ほかの選択肢では、硫化水素を強く産生してガスも出すもの、乳糖を分解して斜面部まで黄変するもの、硫化水素を全く産生しないものがあり、反応の型で区別できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)を加工して作成