造血器腫瘍患者の骨髄血を用いた染色体核型(G 分染法)の結果(別冊No. 13)…
造血器腫瘍患者の骨髄血を用いた染色体核型(G 分染法)の結果(別冊No. 13)を別に示す。異常が認められた染色体を矢印で示す。想定される遺伝子異常はどれか。
- ⑴ BCR-ABL1BCR-ABL1は9番と22番染色体の相互転座で生じ、フィラデルフィア染色体として観察されます。16番染色体の逆位では生じません。
- ⑵ CBFB-MYH11第16染色体の逆位により長腕のCBFBと短腕のMYH11が融合します。異常な好酸球を伴う急性骨髄単球性白血病でみられます。
- ⑶ ETV6-RUNX1ETV6-RUNX1は12番と21番染色体の転座で生じ、小児の急性リンパ性白血病でみられます。本例の異常とは異なります。
- ⑷ PML-RARAPML-RARAは15番と17番染色体の相互転座で生じ、急性前骨髄球性白血病の原因となります。16番の逆位では生じません。
- ⑸ RUNX1-RUNX1T1RUNX1-RUNX1T1は8番と21番染色体の転座で生じます。矢印が示す16番染色体の異常とは対応しません。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。矢印で示された第16染色体には長腕と短腕にまたがる逆位が認められ、これはinv(16)(p13.1q22)にあたります。この逆位では16番長腕のCBFB遺伝子と短腕のMYH11遺伝子が融合し、CBFB-MYH11融合遺伝子ができます。異常な好酸球を伴う急性骨髄単球性白血病でみられ、比較的予後の良い群に分類されます。ほかの選択肢は別の染色体異常に対応し、フィラデルフィア染色体は9番と22番、PML-RARAは15番と17番の相互転座によって生じます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)を加工して作成