腹水のPapanicolaou 染色標本(別冊No. 10)を別に示す。矢印で示…
腹水のPapanicolaou 染色標本(別冊No. 10)を別に示す。矢印で示す細胞はどれか。
- ⑴ 組織球組織球は円形の核と微細な顆粒状の細胞質をもち、貪食像がみられます。核が端に押しやられた粘液の貯留は示しません。
- ⑵ 中皮細胞中皮細胞は大きさがそろい核は中心にあり、細胞どうしの接する部分にすき間がみられます。核の強い偏りはみられません。
- ⑶ 印環細胞癌細胞質に大きな粘液が貯留し、核が端へ押しやられて三日月形になっています。印環細胞癌の特徴で、腹膜播種を示唆します。
- ⑷ 扁平上皮癌扁平上皮癌の細胞は細胞質が厚く角化傾向を示し、核はしばしば濃染して中心にあります。粘液の貯留による核の偏りはみられません。
- ⑸ 悪性リンパ腫悪性リンパ腫では細胞質が乏しく裸核状の細胞が散在します。細胞質に大きな粘液をもつ本例の細胞とは異なります。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。矢印が示す細胞は細胞質に大きな粘液の貯留があり、核が細胞の端に押しやられて三日月形に偏っている印環細胞癌の細胞です。腹水にこの細胞が現れた場合は、胃などの消化管に原発する腺癌の腹膜播種を強く示唆します。中皮細胞は大きさがそろい、細胞どうしが接する部分にすき間がみられ、核も中心にあります。組織球は核が円形で細胞質に微細な顆粒や貪食物をもち、悪性リンパ腫は細胞質の乏しい裸核状の細胞が散在する点で区別できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)を加工して作成