食道のPAS 染色標本(別冊No. 9A)とα-アミラーゼ消化後のPAS 染色標…
食道のPAS 染色標本(別冊No. 9A)とα-アミラーゼ消化後のPAS 染色標本(別冊No. 9B)を別に示す。消化試験で同定されるのはどれか。
- ⑴ 線維素線維素はPAS染色で染まる物質ではなく、アミラーゼでも分解されません。消化試験で同定する対象にはなりません。
- ⑵ 中性粘液中性粘液はPAS陽性ですが、アルファアミラーゼでは分解されず処理後も陽性のまま残ります。消化で消える所見とは合いません。
- ⑶ アミロイドアミロイドはコンゴ赤染色や偏光顕微鏡での複屈折で同定します。アミラーゼ消化で染色性が消える物質ではありません。
- ⑷ グリコーゲンPAS陽性がアルファアミラーゼ処理で消えており、アミラーゼで分解されるグリコーゲンと同定できます。食道扁平上皮に豊富に含まれます。
- ⑸ リポフスチンリポフスチンは消耗性色素で、ズダン染色や自家蛍光で確認します。アミラーゼで分解される物質ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。消化試験は、酵素で分解される物質かどうかによって染色性の由来を確かめる方法です。PAS染色で陽性であった物質が、アルファアミラーゼで処理した後に陰性となった場合、その物質はアミラーゼで分解されるグリコーゲンであると同定できます。食道の重層扁平上皮の細胞質にはグリコーゲンが豊富に含まれるため、この消化試験の教材としてよく用いられます。中性粘液はアミラーゼでは分解されず処理後も陽性のまま残るので、両者はこの試験で区別できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)を加工して作成