リンパ節の術中迅速組織標本の弱拡大写真(別冊No. 8A)と強拡大写真(別冊No…
リンパ節の術中迅速組織標本の弱拡大写真(別冊No. 8A)と強拡大写真(別冊No. 8B)を別に示す。標本にみられる不良の原因はどれか。
- ⑴ 切り出し切り出しの不良では目的の部位が含まれない、方向が不適切といった問題が生じます。切片の厚さのむらやしわは説明できません。
- ⑵ 凍結凍結の不良では氷結晶により細胞や組織に空隙ができ、すだれ状や網目状にみえます。本例の厚さのむらとは所見が異なります。
- ⑶ 薄切切片の厚さが不均一でしわや縞状のむらがみられ、細胞が重なっています。刃や温度、送りの調整に起因する薄切の不良です。
- ⑷ 固定固定の不良では細胞の自己融解や核の不明瞭化が目立ちます。切片の物理的なむらとして現れる本例とは異なります。
- ⑸ 染色染色の不良では全体が淡い、あるいは核と細胞質の染め分けが不十分といった所見になります。厚さのむらは染色では生じません。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。示された標本は切片の厚さが不均一で、しわや縞状のむらのために細胞が重なって見え、核の所見が判定しにくくなっています。これは薄切の工程に起因する不良で、凍結ミクロトームの刃の状態や送り、抗巻き上げ板の位置、標本台の温度が適切でないときに生じます。術中迅速標本では短時間で結果を返す必要があるため、この段階の不良が診断の妨げになりやすく、刃を替えて温度を整え、切り直すことで改善します。凍結や固定、染色の不良とは所見の現れ方が異なります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)を加工して作成