下肢静脈超音波検査で大腿静脈に可動性を有する血栓を認めた。対応で正しいのはどれか…
下肢静脈超音波検査で大腿静脈に可動性を有する血栓を認めた。対応で正しいのはどれか。
- ⑴ 面積狭窄率を求める。面積狭窄率は動脈の狭窄の程度を評価する指標です。静脈血栓の評価には用いず、血栓を遊離させる危険を減らす対応にもなりません。
- ⑵ ミルキング法で血流を確認する。ミルキング法は下腿を絞って血流を促す操作で、可動性血栓があると血栓を遊離させ肺血栓塞栓症を招く危険があります。
- ⑶ 総腸骨静脈まで血栓範囲を確認する。血栓の中枢端がどこまで及ぶかは治療方針と塞栓の危険度を左右します。総腸骨静脈まで範囲を確認するのが適切な対応です。
- ⑷ 圧迫法を強く行いながら血流を確認する。強い圧迫は血栓を遊離させる危険があり、可動性血栓では禁忌です。圧迫法は血栓が固定していることを確かめる場面に限られます。
- ⑸ パルスドプラ法にて血栓部分の最高流速を測定する。血栓部分の最高流速を測っても治療方針は決まりません。まず行うべきは血栓の中枢側への広がりの確認です。
解説
正解は⑶です。大腿静脈に可動性のある血栓を認めた場合は、血栓が中枢側へどこまで及んでいるかを確認することが最優先で、総腸骨静脈まで走査範囲を広げます。血栓の中枢端の位置と可動性の程度は、肺血栓塞栓症の危険度と治療方針を決める重要な情報になるためです。このような血栓では、圧迫法やミルキング法など静脈を機械的に押す操作は血栓を遊離させる危険があるので行いません。可動性血栓を見つけたら圧迫を避け、範囲の確認を行って速やかに医師へ報告することが大切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)を加工して作成