血清コリンエステラーゼ活性が低下するのはどれか。
血清コリンエステラーゼ活性が低下するのはどれか。
- ⑴ 一酸化炭素中毒一酸化炭素はヘモグロビンと強く結合して酸素運搬を妨げます。指標は一酸化炭素ヘモグロビンで、コリンエステラーゼは低下しません。
- ⑵ 水銀中毒水銀中毒では腎の尿細管障害や中枢神経症状が問題になります。コリンエステラーゼを阻害する作用はありません。
- ⑶ 青酸〈シアン〉中毒シアンはミトコンドリアのシトクロム酸化酵素を阻害して細胞の呼吸を止めます。作用点が異なり、コリンエステラーゼは低下しません。
- ⑷ 鉛中毒鉛中毒ではヘム合成が阻害され、好塩基性斑点をもつ赤血球や尿中デルタアミノレブリン酸の増加がみられます。この酵素は低下しません。
- ⑸ 有機リン中毒有機リン剤はコリンエステラーゼをリン酸化して不可逆的に阻害するため、血清コリンエステラーゼ活性が著明に低下します。
解説
正解は⑸です。有機リン系殺虫剤はコリンエステラーゼの活性中心をリン酸化して不可逆的に阻害するため、血清コリンエステラーゼ活性が著明に低下します。アセチルコリンが分解されずに蓄積するので、瞳孔の縮小、気道分泌の増加、発汗、徐脈といったムスカリン様症状が現れ、治療にはアトロピンとプラリドキシムヨウ化物を用います。ほかの中毒では作用点が異なり、この酵素は低下しません。なお血清コリンエステラーゼは肝細胞で作られるため、肝障害や低栄養でも低値になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)を加工して作成