尿沈渣の無染色標本(別冊No. 1A)とSternheimer 染色標本(別冊N…
尿沈渣の無染色標本(別冊No. 1A)とSternheimer 染色標本(別冊No. 1B)を別に示す。この構造物はどれか。
- ⑴ 硝子円柱硝子円柱は封入物のない均質で無色の円柱です。細胞成分が見えないため、赤血球が並んで見える所見とは合いません。
- ⑵ 顆粒円柱顆粒円柱は大小不同の顆粒が基質に詰まった円柱で、細胞の輪郭ははっきりしません。そろった円形の細胞が見える所見とは異なります。
- ⑶ 上皮円柱上皮円柱は尿細管上皮細胞を含み、核をもつ細胞が観察されます。ステルンハイマー染色で核が明瞭に染まる点で赤血球円柱と区別できます。
- ⑷ 赤血球円柱円柱基質の中に大きさのそろった無核の赤血球が封入されており、赤血球円柱です。糸球体からの出血、すなわち糸球体性血尿を示します。
- ⑸ 白血球円柱白血球円柱は分節した核をもつ好中球を含み、染色で核が濃く染まります。腎盂腎炎など尿路の炎症でみられ、本例の所見とは異なります。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。示された構造物は円柱の基質のなかに赤血球が封入された赤血球円柱で、無染色では円柱内に大きさのそろった円形の赤血球が透けて見え、ステルンハイマー染色では基質が淡く染まる一方で赤血球はほとんど染まらないため輪郭として確認できます。赤血球円柱は糸球体からの出血が尿細管内で固まったことを示し、糸球体腎炎や急速進行性腎炎など糸球体性の血尿を強く示唆します。円柱の鑑別では、封入されている細胞が核をもつかどうかを確認することが決め手になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-07.html)を加工して作成