強い上腹部の痛みで来院した患者に、急性膵炎が疑われている。血液と尿を用いた検査の…
強い上腹部の痛みで来院した患者に、急性膵炎が疑われている。血液と尿を用いた検査の考え方として正しいのはどれか。
- ⑴ 血清のアミラーゼは発症から3日ほどたって上がり始めるため、来院した当日の採血は後回しにします。アミラーゼは発症から数時間で上がり始めるため、来院した当日の採血が診断の手がかりになります。
- ⑵ 急性膵炎では血清のカルシウムが上がるため、カルシウムの高さが重症度の目安になります。重症の膵炎では脂肪と結びついてカルシウムはむしろ下がり、低下が重症の目安です。
- ⑶ 血清のリパーゼは膵臓以外の臓器にも多く含まれるため、アミラーゼより特異性の低い検査です。リパーゼは膵臓への偏りが強く、アミラーゼより特異性の高い検査とされています。
- ⑷ 血清のアミラーゼの高さは重症度をそのまま映すため、値が高いほど重い膵炎と判断します。酵素の高さと重症度は対応せず、重症度は全身の状態や画像から判断します。
- ⑸ 血清のアミラーゼは発症から早く上がって比較的早く下がる一方、尿のアミラーゼは遅れて上がり長く高い値が続きます。尿への排泄が遅れて続くため、来院が遅れた患者では尿のほうが手がかりになります。
解説
正解は、血清のアミラーゼは発症から早く上がって比較的早く下がる一方、尿のアミラーゼは遅れて上がり長く高い値が続くという説明です。急性膵炎では膵臓の酵素が血液へ漏れ出し、腎臓から尿へ排泄されます。このため来院までに時間がたった患者では、血清が下がっていても尿で手がかりが得られます。アミラーゼは唾液腺にも含まれるので、膵臓への偏りが強いリパーゼをあわせて測ります。重症の膵炎では血清のカルシウムが下がることが知られています。
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