70 歳の男性。陳旧性心筋梗塞。独居生活をしていたが、定期検査のため内科病棟に1…
70 歳の男性。陳旧性心筋梗塞。独居生活をしていたが、定期検査のため内科病棟に1 週間入院したところ、入院前に比べて階段昇降ができなくなり、歩行距離も30 m 程度まで低下した。この状態の説明で最も適切なのはどれか。
- ⑴ AE〈acute exacerbation〉急性増悪は病状そのものが悪化することを指しますが、この方は定期検査での入院で、心筋梗塞の悪化を示す所見は述べられていません。
- ⑵ HAD〈Hospitalization Associated Disability〉入院に関連した生活機能の低下そのもので、疾患の悪化がなくても安静と活動量の減少だけで生じます。この経過に最もよく当てはまります。
- ⑶ ICU-AW集中治療室での治療中に生じる筋力低下を指します。この方は内科病棟への入院で、集中治療は受けていません。
- ⑷ NYHA 心機能分類 Ⅰ心機能の分類であり、しかもⅠは日常生活に制限がない段階です。低下した状態の説明にはなりません。
- ⑸ PICS〈Post Intensive Care Syndrome〉集中治療後に長く残る身体・認知・精神の障害を指します。集中治療を受けていない今回の経過には当てはまりません。
解説
正解は⑵です。HADは入院に関連した生活機能の低下を指し、入院そのものによる安静と活動量の減少が原因で、疾患の悪化がなくても起こります。この方は定期検査のための1週間の入院で階段昇降ができなくなり歩行距離も30mまで落ちていますので、心疾患の悪化ではなく入院に伴う廃用が原因と考えられます。高齢者では数日の臥床でも筋力が目に見えて落ちるため、入院中も離床と活動量の確保が欠かせません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-08_09.html)を加工して作成