12 歳の男児。約2 か月来の膝関節痛を主訴に近医を受診した。陸上部に所属してい…
12 歳の男児。約2 か月来の膝関節痛を主訴に近医を受診した。陸上部に所属しているが、特に外傷の既往はない。下腿近位部の腫脹、圧痛、安静時痛を認めた。膝関節の可動域は疼痛のため、著明に制限されていた。単純X 線画像およびMRI画像(別冊No. 2)を別に示す。画像所見で異常を指摘され、紹介受診となった。発熱はなく全身状態は良好。血液検査では炎症反応は正常で、ALP の上昇を認めた。最も考えられる疾患はどれか。
- ⑴ 骨挫傷骨挫傷は外傷を契機に生じるものであり、外傷歴がなく2か月続く安静時痛やALP上昇は説明できません。
- ⑵ 骨髄炎骨髄炎では発熱や炎症反応の上昇を伴うことが多く、全身状態良好で炎症反応が正常なこの経過とは合いません。
- ⑶ 骨肉腫成長期の骨幹端部に生じる骨腫瘍で骨形成が亢進するため、好発部位・年齢・ALP上昇のいずれとも一致します。
- ⑷ 軟骨肉腫軟骨肉腫は骨端部よりも中高年に多く発生する腫瘍であり、成長期の男児のこの経過とは合いにくい疾患です。
- ⑸ 疲労骨折疲労骨折は運動歴と部位は合致しますが、ALPの著明な上昇や2か月におよぶ安静時痛までは通常説明できません。
解説
正解は⑶です。成長期の陸上部所属の男児で、外傷歴のない下腿近位部(脛骨近位の骨幹端部)の腫脹・圧痛・安静時痛があり、炎症反応は正常なのに骨形成の指標であるALP が上昇しています。これは骨腫瘍による骨形成の亢進を反映する所見であり、好発部位・好発年齢・検査所見のいずれも骨肉腫の特徴と一致します。理学療法を開始する前に、画像所見と血液検査の結果をあわせて医師の診断を確認することが重要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-08_09.html)を加工して作成