25 歳の女性。1 か月ほど前から熱いラーメンを吹いて冷ましていると右の手足に力…
25 歳の女性。1 か月ほど前から熱いラーメンを吹いて冷ましていると右の手足に力が入らなくなる症状が数分続くことがあったが、その後回復したため様子を見ていた。数日前にも同様の症状があり、心配になり病院を受診した。既往歴に特記すべきことはない。脳血管造影検査の正面像および側面像(別冊No. 2)を別に示す。この患者で疑う疾患はどれか。
- ⑴ 脳 炎脳炎は発熱や意識障害、けいれんを伴う急性の経過をとります。過換気で反復する一時的な脱力とは異なります。
- ⑵ 脳腫瘍脳腫瘍では症状が進行性に現れます。数分で回復し過換気を契機に繰り返す経過は合いません。
- ⑶ もやもや病内頸動脈終末部の狭窄と脳底部の異常血管網が特徴で、過換気による血管収縮で一時的な脱力を繰り返します。
- ⑷ 硬膜動静脈瘻硬膜動静脈瘻では拍動性の耳鳴りや眼症状、頭蓋内出血が問題となります。過換気による脱力は典型的ではありません。
- ⑸ アテローム性脳梗塞動脈硬化を背景とする脳梗塞は高齢で危険因子をもつ人に生じます。25歳で既往のない例には当てはまりません。
解説
疑う疾患はもやもや病です。もやもや病は内頸動脈の終末部が両側で徐々に狭くなり、それを補う細い側副血管が脳底部に網目状に発達する疾患で、脳血管造影ではこの異常血管網が煙のように写ります。熱いものを吹いて冷ますときやハーモニカを吹くときのような過換気では血液中の二酸化炭素が減って脳血管が収縮し、もともと不足している血流がさらに減るため、一時的な脱力や脱力発作が生じます。若年で既往のない女性にこの経過がみられる点も特徴的で、脳炎や脳腫瘍、動静脈瘻、動脈硬化による脳梗塞では説明できません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成