75 歳の男性。間質性肺疾患で入院中。安静時も頻呼吸で、頸部の呼吸補助筋活動が亢…
75 歳の男性。間質性肺疾患で入院中。安静時も頻呼吸で、頸部の呼吸補助筋活動が亢進し、吸気時の胸骨上切痕および鎖骨上窩の陥凹を認める。この患者に対する理学療法で最も適切なのはどれか。
- ⑴ 気道の吸引を行う。喀痰の増加や分泌物の貯留は示されていません。不要な吸引は低酸素や気道の損傷を招きます。
- ⑵ 上肢の筋力増強運動を行う。上肢の運動は呼吸補助筋の負担を増やします。安静時から呼吸努力が強い段階では適しません。
- ⑶ 腹部引き込み動作の練習を行う。腹部引き込み動作は体幹の安定化を目的とする運動です。硬くなった肺の換気を助ける介入ではありません。
- ⑷ 徒手的な胸郭可動域の拡大運動を行う。硬くなった胸郭の動きを外から助けて広がりやすくし、吸気に必要な仕事量を減らせるため最も適切です。
- ⑸ 負荷を加えて吸気筋トレーニングを行う。呼吸補助筋がすでに過剰に働いており、負荷を加えると疲労を強めて呼吸不全を悪化させるおそれがあります。
解説
最も適切なのは徒手的な胸郭可動域の拡大運動です。この患者は間質性肺疾患により肺が硬くなって広がりにくい拘束性の換気障害を示し、頸部の呼吸補助筋が過剰に働き、吸気時に胸骨上切痕や鎖骨上窩がへこむほど強い吸気努力が生じています。したがって胸郭の動きを外から助けて広がりやすくし、呼吸に必要な仕事量を減らす介入が適します。痰の問題は示されておらず吸引の適応はなく、上肢の筋力増強や負荷をかけた吸気筋トレーニングは、すでに過剰に働いている呼吸補助筋をさらに疲労させるおそれがあります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成