70 歳の男性。Parkinson 病。Hoehn &Yahr の重症度分類ステ…
70 歳の男性。Parkinson 病。Hoehn &Yahr の重症度分類ステージⅢ。歩行時にたびたびすくみ足や小刻み歩行からの突進を生じる。この患者の歩行練習で適切なのはどれか。
- ⑴ 直線上を継ぎ足歩行する。継ぎ足歩行は左右の足を一直線に置くため支持基底面が狭くなり、姿勢反射が低下した患者では転倒の危険が高まります。
- ⑵ できるだけ歩行速度を上げる。速度を上げると歩幅が伸びないまま歩数が増えて突進が強まり、前方への転倒につながります。
- ⑶ 簡単な計算をしながら歩行する。計算を同時に行う二重課題は注意が分散して歩行が悪化します。視覚的手がかりを用いる方針と逆になります。
- ⑷ 等間隔の線を踏みながら歩行する。床の等間隔の線が一歩ごとの目標となり、歩幅が広がってすくみ足や突進が軽減します。視覚的手がかりの活用です。
- ⑸ 足首に重錘バンドをつけて歩行する。足首の重錘は下肢の振り出しを重くしてすくみを助長するおそれがあり、転倒の危険も高まります。
解説
適切なのは等間隔の線を踏みながら歩行することです。パーキンソン病のすくみ足や小刻み歩行には、床に等間隔の線やテープを引いて視覚的な手がかりを与える方法が有効で、一歩の目標が目に見えることで歩幅が広がり、突進も抑えられます。メトロノームなどの聴覚的な手がかりも同じ働きをします。継ぎ足歩行は支持基底面を狭めて転倒の危険を高め、速度を上げると突進が強まります。計算などの二重課題は歩行を悪化させるため練習の初期には避け、足首の重錘は下肢の振り出しを妨げてすくみを助長するおそれがあります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成