75 歳の男性。右変形性股関節症で歩行時に疼痛の訴えがあった。歩行時床反力の垂直…
75 歳の男性。右変形性股関節症で歩行時に疼痛の訴えがあった。歩行時床反力の垂直分力(両側)を図に示す。右大腿直筋が活動する期はどれか。
- ⑴ ①①は踵接地から荷重応答期にあたり、大腿直筋が膝の急な屈曲を制御して衝撃を吸収するために活動する時期です。
- ⑵ ②②は垂直分力が谷になる立脚中期にあたります。膝は伸展位に近く安定しており、大腿直筋の活動は低下しています。
- ⑶ ③③は立脚終期で、股関節は伸展位となり推進は下腿三頭筋が担います。大腿直筋が主に働く時期ではありません。
- ⑷ ④④は反対側下肢の荷重に対応する時期で、右下肢は振り出しを終えた遊脚中期以降です。大腿直筋の活動は乏しくなります。
- ⑸ ⑤⑤は前遊脚期から遊脚初期にあたり、股関節を屈曲させて下肢を振り出すために大腿直筋が活動する時期です。
設問は1つ選ぶ形だが、正答値表では1・5のいずれも正答としている(出題側が複数正解として扱った問)。どれを選んでも正解になる。
解説
正答は①と⑤です。大腿直筋は股関節屈曲と膝関節伸展の二関節筋で、歩行では踵接地から荷重応答期にかけて膝の急激な屈曲を制御するために働き、続いて前遊脚期から遊脚初期に股関節を屈曲させて下肢を振り出すために活動します。つまり垂直分力が立ち上がる荷重の初期と、荷重が抜けて下肢を振り出す時期の2か所で活動が見られます。立脚中期から立脚終期にかけては膝が伸展位で安定し、推進は下腿三頭筋が担うため、大腿直筋の活動は乏しくなります。二関節筋は前後の相での役割を分けて理解しましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成