理学療法で最も適切なのはどれか。
次の文により、 2 、 3 の問いに答えよ。80 歳の男性。間質性肺疾患の急性増悪で入院中。酸素化が不良で気管切開による人工呼吸管理を受けている。肺炎は認めないが血圧変動が大きい。
理学療法で最も適切なのはどれか。
- ⑴ 咳嗽練習肺炎は認めず喀痰の問題は示されていません。気管切開下で努力性の咳嗽を促すと胸腔内圧が上がり、血圧変動を増大させるおそれがあります。
- ⑵ 歩行練習酸素化不良と大きな血圧変動がある時期に歩行させると、酸素需要の急増と血圧低下を招きます。離床は全身状態が安定してからです。
- ⑶ 移乗動作練習移乗動作は起立を伴い、血圧変動や低酸素を誘発しやすい負荷です。座位での耐性を確認しながら段階的に進める段階の課題です。
- ⑷ 関節可動域運動他動的な関節可動域運動は酸素消費量の増加が小さく、循環が不安定な時期でも監視下で実施できます。人工呼吸管理中に生じやすい関節拘縮の予防として最も適切です。
- ⑸ 等尺性筋力増強運動等尺性収縮は血圧を上昇させ、いきみを伴うと胸腔内圧が上がって静脈還流が減ります。血圧変動が大きい患者には適しません。
解説
最も適切なのは関節可動域運動です。この患者は間質性肺疾患の急性増悪で酸素化が不良であり、気管切開下の人工呼吸管理を受け、しかも血圧変動が大きい状態です。全身状態が不安定な時期は、酸素消費量を増やさない範囲で二次的な関節拘縮や筋短縮を防ぐことが優先されます。他動的な関節可動域運動は酸素需要の増加が小さく、バイタルサインを監視しながら中止基準を守って安全に実施できます。咳嗽練習や離床、抵抗運動は酸素消費量や血圧の変動を大きくするため、循環と酸素化が安定してから段階的に進めます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-08_09.html)を加工して作成