寛解期にある多発性硬化症に対する理学療法の禁忌はどれか。
寛解期にある多発性硬化症に対する理学療法の禁忌はどれか。
- ⑴ 他動的な関節可動域練習他動的な関節可動域練習は拘縮の予防に有用で、禁忌ではありません。痙縮のある部位でもゆっくりと行えば安全に実施できます。
- ⑵ 中等度強度の有酸素運動中等度強度の有酸素運動は運動耐容能や疲労感を改善することが示されています。体温が上がりすぎないよう環境を整えれば、寛解期には推奨される運動です。
- ⑶ 低強度の筋力増強練習低強度の筋力増強練習は筋力の維持に有用で、寛解期には積極的に行われます。過度な疲労を避ける配慮は必要ですが、禁忌にはあたりません。
- ⑷ 電気刺激療法電気刺激療法は筋力低下や痙縮に対して用いられることがあり、体温を大きく上げるものではありません。禁忌として挙げられる治療ではありません。
- ⑸ 温熱療法温熱療法は深部体温を上昇させ、ウートフ徴候によって視力低下や筋力低下などの症状を一時的に悪化させます。この疾患では避けるべき物理療法です。
解説
正解は⑸です。多発性硬化症では体温が上がると脱髄した神経の伝導がさらに悪くなり、一時的に症状が増悪するウートフ徴候がみられます。そのため温熱療法や高温の入浴は避けるべきものとされています。関節可動域練習や低強度の筋力増強練習、中等度までの有酸素運動は、寛解期であれば疲労に注意しながら実施でき、機能の維持や生活の質の改善に役立ちます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成