運動療法を受ける患者の自己効力感が低下する可能性が高いのはどれか。
運動療法を受ける患者の自己効力感が低下する可能性が高いのはどれか。
- ⑴ 運動療法時に医療者が励ます。医療者が励ますことは言語的説得にあたり、自分にもできるという認識を支えます。自己効力感を高める働きかけであり、低下させる要因にはなりません。
- ⑵ 運動後の疲労は問題ないことを説明する。運動後の疲労が心配のないものだと説明することは、身体の反応に対する不安な解釈を和らげます。生理的および情動的状態を整える働きかけとして自己効力感を高めます。
- ⑶ 既に退院した患者の成功した治療例を伝える。同じ立場の人が成功した例を知ることは代理的経験にあたります。自分にもできそうだという見通しが生まれるため、自己効力感を高める情報源になります。
- ⑷ 類似した事柄に対して過去に成功体験がある。過去の成功体験は遂行行動の達成にあたり、四つの情報源の中で最も強く自己効力感を高めます。低下する可能性が高い状況とは正反対です。
- ⑸ 達成が困難な高い目標の運動課題を初めに設定する。達成が難しい目標を初めに設定すると失敗の経験が積み重なり、自分にはできないという認識が強まります。四つの情報源のうち最も影響の大きい遂行行動の達成が損なわれます。
解説
正解は⑸です。自己効力感は、遂行行動の達成、代理的経験、言語的説得、生理的および情動的状態という四つの情報源によって形づくられます。達成が困難な高い目標を最初に設定すると、失敗の経験が重なって自分にはできないという認識が強まり、自己効力感はかえって低下します。目標は少しの努力で届く水準から始め、成功を積み重ねられるように段階的に高めていくことが大切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成