理学療法の臨床実習に参加している学生。脳梗塞による左片麻痺患者の評価を臨床実習指…
理学療法の臨床実習に参加している学生。脳梗塞による左片麻痺患者の評価を臨床実習指導者と行った。患者は常に右側を向き、左側からの声かけへの反応が遅かった。担当作業療法士の診療記録から収集する検査結果で最も優先度が高いのはどれか。
- ⑴ BITBITは半側空間無視を評価する標準的な検査で、机上の課題と日常生活を模した課題の両面から無視の程度をとらえます。本例の様子に最も合致し、安全管理にも直結します。
- ⑵ FASTFASTは失語症の型を鑑別するための検査です。本例は言語表出や理解の障害ではなく、左側への注意が向きにくい様子が問題となっているため優先度は下がります。
- ⑶ Stroop testストループテストは色と文字が矛盾する刺激を用いて選択的注意と抑制機能をみる検査で、前頭葉機能の評価に用います。空間の一側に注意が向かない現象は検出できません。
- ⑷ WAIS-ⅣWAIS-Ⅳは成人の全般的な知能を測る検査で、実施に長い時間を要します。半側空間無視という限定した症状を確かめる目的には適していません。
- ⑸ WCST〈Wisconsin Card Sorting Test〉WCSTは規則の切り替えを通して概念の転換や遂行機能をみる検査で、前頭葉機能の評価に用います。左側への注意の偏りを直接示す指標にはなりません。
解説
正解は⑴です。常に右側を向き、左側からの声かけへの反応が遅いという様子は、左半側空間無視を強く疑わせます。行動性無視検査であるBITは、線分抹消や模写などの通常検査と、食事や整容といった日常場面を模した行動検査から成り、無視の有無と生活への影響の両方を把握できます。歩行や車椅子操作の安全に直結する情報なので、まずこの結果を確認する優先度が高くなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成