65 歳の女性。右膝関節の痛みを主訴に来院した。右膝関節に軽度の屈曲制限があり、…
65 歳の女性。右膝関節の痛みを主訴に来院した。右膝関節に軽度の屈曲制限があり、右内側広筋が軽度萎縮している。歩行時に内反膝を呈し、階段昇降時に右膝関節内側の痛みを強く感じている。装具療法で適切なのはどれか。
- ⑴ ロッカーバーロッカーバーは靴底を丸く加工して踏み返しを助ける工夫で、中足趾節関節の背屈を減らします。前足部の痛みや強剛母趾に用いるもので、膝の荷重配分は変えられません。
- ⑵ トーマスヒールトーマスヒールは踵の内側を前方に延長して内側縦アーチを支える工夫で、扁平足や外反足に用います。踵を内反させる方向に働くため、内側型では痛みを強める恐れがあります。
- ⑶ メタタルザルバーメタタルザルバーは中足骨頭の手前に横方向のバーを付けて骨頭部を免荷する工夫で、中足骨頭部痛に用います。膝関節にかかる力の向きには影響しません。
- ⑷ 外側ウェッジソール足底の外側を高くすることで踵が外反し、下腿が外側に傾いて膝関節の内反モーメントが小さくなります。内側の関節裂隙にかかる圧が減り、痛みの軽減が期待できます。
- ⑸ 内側ウェッジソール内側ウェッジソールは外反膝を伴う外側型の変形性膝関節症に用います。本例に用いると内反がさらに強まり、内側の荷重と痛みを増やしてしまいます。
解説
正解は⑷です。内反膝を伴う内側型の変形性膝関節症では、荷重が膝関節の内側に偏り、内側の関節裂隙に痛みが生じます。外側ウェッジソールは足底の外側を高くして踵を外反させ、下腿を外側へ傾けることで膝関節にかかる内反モーメントを減らし、内側の痛みを軽減します。他の選択肢はいずれも足部の変形や前足部の痛みに対して用いる工夫であり、膝内側の荷重を減らす目的には合いません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成