17 歳の女子。サッカー中に転倒し歩行困難となったため受診した。右足関節外側靱帯…
17 歳の女子。サッカー中に転倒し歩行困難となったため受診した。右足関節外側靱帯損傷と診断され、安静目的に10 日間の固定を行った。短下肢装具を着用し、理学療法を開始した。正しいのはどれか。
- ⑴ 足関節周囲筋のストレッチを行う。固定によって足関節周囲の筋や腱は短縮しやすく、可動域制限が残ると再受傷の危険が高まります。装具による保護下でのストレッチは開始時期の理学療法として適切です。
- ⑵ 歩行練習は圧痛が改善してから開始する。圧痛の消失を待つと安静期間が長くなり、筋力低下と可動域制限を招きます。装具で外側を保護したうえで、痛みの許す範囲で早期から歩行練習を始めます。
- ⑶ 装具はできる限り早く外すように指導する。靱帯の修復が進むまでは装具で外反方向の支持を続ける必要があります。早期に外すと内反ストレスが加わって再受傷しやすく、足関節の不安定性が残る原因になります。
- ⑷ バランストレーニングは開眼片脚起立から開始する。開眼片脚起立は難易度が高く、この時期にはまだ危険です。両脚支持での重心移動から始め、片脚、不安定面、閉眼へと段階的に難易度を上げていきます。
- ⑸ 筋力トレーニングは閉鎖性運動連鎖〈CKC:closed kinetic chain〉から開始する。閉鎖性運動連鎖の運動は体重が足関節にかかるため負荷が大きくなります。まずは開放性運動連鎖でゴムバンドを用いた外反や底背屈の運動から始めるのが安全です。
解説
正解は⑴です。足関節外側靱帯損傷では、固定期間中に低下した足関節周囲の筋や腱の柔軟性を取り戻す必要があるため、装具で保護しながら早期からストレッチを行います。近年の捻挫の管理は、痛みの範囲で早期に荷重と可動域運動を進める方針が主流です。長期の安静はかえって可動域制限や筋力低下、再受傷を招くため、保護のもとで段階的に負荷を上げていく視点が大切になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成