Daniels らの徒手筋力テストで肩関節屈曲の段階3 を測定する際、図のような…
Daniels らの徒手筋力テストで肩関節屈曲の段階3 を測定する際、図のような代償がみられた。代償運動を生じさせている筋はどれか。
- ⑴ 僧帽筋肩甲骨を挙上、内転、上方回旋させる筋です。上肢を挙げる際の肩甲骨の動きには関わりますが、肘や前腕の代償を生む筋ではありません。
- ⑵ 棘上筋肩関節の外転の初期に働く回旋筋腱板の筋です。屈曲の代償として肘や前腕の肢位を変える働きは持ちません。
- ⑶ 大胸筋肩関節の内転と水平内転、内旋に働く筋です。鎖骨部は屈曲を助けますが、肘や前腕を用いた代償には関与しません。
- ⑷ 上腕二頭筋長頭が関節上結節から起こって上腕骨頭の上を越えるため肩関節の屈曲を補助し、肘の屈曲と前腕の回外を伴う代償を生じさせます。
- ⑸ 上腕三頭筋肘の伸展に働き、長頭は肩関節の伸展を助ける筋です。屈曲方向の代償を生じさせる筋ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。上腕二頭筋は長頭が肩甲骨の関節上結節から起こり、上腕骨頭の上を越えて走行しますので、肩関節の屈曲を補助する働きを持ちます。そのため肩関節屈曲の筋力が不十分なときには、肘を曲げて前腕を回外させながら腕を持ち上げる代償が現れます。僧帽筋は肩甲骨を動かす筋、棘上筋は肩関節外転の初期に働く筋、大胸筋は内転や水平内転に働く筋であり、この代償を生む筋には当てはまりません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成