筋萎縮性側索硬化症で正しいのはどれか。
筋萎縮性側索硬化症で正しいのはどれか。
- ⑴ 深部感覚が障害されやすい。感覚は末期まで保たれやすく、深部感覚の障害も通常はみられません。感覚障害が目立つ場合は他の疾患を考える必要があります。
- ⑵ 認知機能が障害されやすい。古典型では認知機能は保たれることが多いとされています。前頭側頭型認知症を合併する例もありますが、障害されやすいという表現は適切ではありません。
- ⑶ 筋萎縮は四肢の遠位に著しい。手内在筋をはじめとする四肢の遠位から筋萎縮が始まるのが典型的な経過です。母指球の萎縮や母指と示指の間のくぼみが早期の所見となります。
- ⑷ 眼球運動が早期に障害されやすい。眼球運動は末期まで保たれやすい機能で、陰性四徴候のひとつです。この特徴を利用して意思伝達装置による会話が可能になります。
- ⑸ 動脈血二酸化炭素分圧が低下しやすい。呼吸筋の筋力低下により換気が不十分になりますので、動脈血二酸化炭素分圧は低下ではなく上昇します。夜間の高二酸化炭素血症が早期の徴候になります。
解説
正解は⑶です。筋萎縮性側索硬化症は上位運動ニューロンと下位運動ニューロンがともに変性する疾患で、筋萎縮は手内在筋など四肢の遠位から始まり、進行とともに近位や体幹へ広がります。一方で眼球運動、感覚、膀胱直腸機能、褥瘡の4つは末期まで保たれやすく、陰性四徴候と呼ばれます。呼吸筋が障害されると換気が不十分になりますので、動脈血二酸化炭素分圧はむしろ上昇します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成