変形性股関節症でみられるのはどれか。
変形性股関節症でみられるのはどれか。
- ⑴ Tinel 徴候末梢神経の損傷部や絞扼部を叩くと支配領域に放散痛が生じる所見です。手根管症候群などの診察に用いるもので、股関節疾患の徴候ではありません。
- ⑵ Froment 徴候尺骨神経麻痺で母指内転筋が働かず、紙をつまむときに母指の指節間関節が屈曲する所見です。手の所見であり股関節とは関係しません。
- ⑶ Romberg 徴候閉眼で立位の動揺が強まる所見で、深部感覚の障害を示します。脊髄後索や末梢神経の障害を疑うときに用います。
- ⑷ Lhermitte 徴候頸部を前屈すると背部から下肢へ電撃痛が走る所見で、多発性硬化症や頸髄症でみられます。股関節疾患とは無関係です。
- ⑸ Trendelenburg 徴候中殿筋の筋力低下により、片脚立位で遊脚側の骨盤が下がる所見です。変形性股関節症では疼痛と変形によって中殿筋の機能が落ちるため、しばしば陽性となります。
解説
正解は⑸です。トレンデレンブルグ徴候は、片脚立ちになったときに支持している側の中殿筋が弱いために遊脚側の骨盤が下がる現象で、変形性股関節症でよくみられます。股関節の変形や疼痛によって中殿筋の筋力が低下し、骨盤を水平に保てなくなるために生じます。歩行では体幹を支持側へ傾ける代償が加わり、跛行として現れます。他の選択肢は末梢神経や脊髄、後索の障害を調べる徴候で、股関節疾患の所見ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成