74 歳の女性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3 か月。平行棒内立位保持練習では重…
74 歳の女性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3 か月。平行棒内立位保持練習では重心が左側に偏り、平行棒に骨盤が寄りかかるような姿勢を呈する。この症状を改善するための理学療法で正しいのはどれか。
- ⑴ 骨盤を左から右方向へ押す。骨盤を他動的に押し戻すと、患者は傾いた姿勢を保とうとして押し返す力を強めます。プッシャー現象では徒手的な矯正がかえって症状を助長します。
- ⑵ 右上肢で前方向へのリーチ運動を行わせる。非麻痺側の上肢を前方へ伸ばしても、左右方向の重心の偏りを修正する手がかりにはなりません。修正を促すなら非麻痺側方向へのリーチが必要です。
- ⑶ 前方に鏡を置き立位姿勢の傾きを認識させる。前方の鏡で自分の傾きを目で確認させると、ずれている垂直の認識を視覚情報で補えます。患者自身が能動的に正中位へ修正できるため、この症状に適した方法です。
- ⑷ 左下肢に膝装具を装着し立位保持練習を行う。膝装具は膝折れの防止には役立ちますが、体幹が麻痺側へ傾く原因は膝の不安定性ではありません。傾きそのものの改善にはつながりません。
- ⑸ レイミステ現象を利用して左股関節内転筋を強化する。レイミステ現象は非麻痺側の股関節内転や外転に抵抗を加えると麻痺側にも同じ運動が起こる連合反応です。内転筋を強めても垂直の認識のずれは改善しません。
解説
正解は⑶です。麻痺側へ重心が偏り、平行棒に骨盤を寄りかからせるような姿勢は、いわゆるプッシャー現象にみられる特徴です。この症状では自分の体が傾いているという認識そのものがずれていますので、鏡や垂直の手がかりを用いて視覚的に正中位を確認させ、患者自身に修正させる練習が有効です。介助者が徒手的に押し戻すと抵抗する力がかえって強まりますので、視覚的なフィードバックを中心に組み立てます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-08_09.html)を加工して作成